研究開発

RESEARCH & DEVELOPMENT

3社の技術とノウハウが融合 より深まる機能、高まる付加価値

「電子材料を中核とした、さまざまな機能化学品」のニーズにお応えするエア・ウォーター・パフォーマンスケミカル。それを支えるのが、前身3社が独自に培ってきた多岐にわたる技術とノウハウを融合・強化した研究開発力です。
目指すは、お客様ニーズにタイムリーに応え、新たなチャレンジに寄与するユニークな提案。そのために、新製品・新用途の開発や量産プロセス開発から工場の技術支援まで、幅広い研究開発に取り組んでいます。
そして持続可能な社会に役立ち、世界へ広く貢献できる材料や技術を生み出しながら、さらに新たな分野、価値を切り開いていきます。

研究開発方針

新体制でさらに強化された“化学の力” 産業、そして暮らしを支えるために

世の中に欠かせない「高付加価値のケミカル材料」。当社は、その独自開発に取り組んでいます。長年蓄積した高度な合成技術と幅広い事業フィールドを強みに、電子材料、電池材料など先端産業分野のニーズに対応したファインケミカル製品の開発に注力し、お客様のさまざまな材料開発ニーズにお応えします。

スマート社会で必要不可欠な存在に

近未来の社会の姿、超スマート社会。この、あらゆるものがインターネットで接続されるIoTの世界では、高速かつ大容量の通信が求められます。実現には、信号の高周波化が欠かせません。そして信号を損失なく伝えるためには、部材の「低誘電化」「耐熱化」が必要です。
当社では、新世代の超高速移動通信システム「5G」、さらなる次世代に向けた「5.5G」「6G」通信用の超高耐熱、超低誘電材料の開発を進めています。

世界へ広く貢献できる技術を

当社が得意とする技術の一つが、酸化技術です。これを駆使して、ナフタリン酸化反応の中間生成物である「ナフトキノン」を高純度かつ高収率で製造できる「触媒」と「プロセス」を自社開発。その量産化に成功しました。
このナフトキノンを原料として、現在、新たな機能を持つ新規キノン誘導品の開発を進めています。これは高度な合成技術力を用いて、ナフタレンやアントラセン骨格を持つ多環芳香族系の機能材料、特に酸化・還元、生理活性、光吸収、ラジカル捕捉、耐熱・難燃性など、ユニークな特性を活かしたものです。

技術紹介

酸化技術

接触気相酸化(固定床式)

  • V系酸化触媒の開発/評価
  • V系酸化触媒の製造技術
  • V系酸化触媒の運転制御技術

液相酸化

  • ハイドロキノン類の液相酸化
  • 脱硫触媒(NQS®)による硫化水素の酸化脱硫技術
  • 電解酸化技術
  • 液相空気酸化
  • 酸化カップリング反応
液相空気酸化

液相空気酸化は空気中の酸素を酸化剤とし、専用設備も用いるコア技術です。
多種多様なカルボン酸誘導体を提供できることが可能でありその実績も豊富です。
また、この技術を活かして特色のある機能性ポリマー原料を提供しています。

特徴
  • 空気中の酸素を酸化剤として用いる環境にやさしい酸化法
  • 化学酸化と異なり、少ない触媒量で合成可能
  • 特殊設備を保有
  • 爆発限界を避ける、豊富な経験を保有

還元技術

接触気相還元

  • 水素化還元触媒による還元脱硫技術

液相還元

  • 水素化還元(Pd触媒)による接触還元技術
  • ハイドロキノン類を用いた還元技術
  • 水中微量貴金属イオン類の還元分離回収技術

合成技術

有機酸誘導体

  • 有機酸誘導体の製造(エステル化・転位・水和反応)
  • ポリエステルポリオールの製造(マキシモール®)

キノン系誘導体

  • ナフトキノンおよびアントラキノン類の製造
  • キノン系農薬原体の製造(有機ファインケミカル)
  • キノン系誘導体の合成技術

ハイドロキノン系誘導体

  • ジアルコキシアントラセン類の製造
  • 多環芳香族ジオール誘導体の合成(アルコキシ体、アクリレート体、グリシジル体等)

低誘電材料開発

  • 酸無水物誘導体の合成技術
  • カップリング反応技術
  • フェノール系硬化剤の設計・合成技術
低誘電材料開発

ICT進展に伴い、高周波対応可能な材料のニーズは高く、絶縁材料には低誘電化が求められています。当社では、2000年からポリイミド用の酸無水物の開発を進めており、液相空気酸化、カップリング反応のノウハウを保有している強みを活かし、低誘電ポリイミド用酸二無水物を開発しました。

また、当社の強みであるフェノール系硬化剤の設計技術を活かし、エポキシ樹脂系パッケージ基板ビルドアップフィルム用に、高耐熱で低誘電正接を両立した硬化剤を開発しました。電子材料用機能性樹脂として、低誘電基板材料などの他用途へも展開しています。

Polymide Monomers
エア・ウォーター・パフォーマンスケミカルはエステル結合、エーテル結合、フッ素基を含むポリイミド原料を提供いたします。
製品名 CAS No. 構造式 用途
TMHQ 2770-49-2 ポリイミドモノマー(酸二無水物)
期待効果:低CTE、低吸水性
TMBPA 2770-50-5 ポリイミドモノマー(酸二無水物)
期待効果:透明性、溶剤可溶性の付与
6F-BPADA 61778-79-8 ポリイミドモノマー(酸二無水物)
期待効果:低誘電、接着性、靭性、低吸水性の付与
HQDA 17828-53-4 ポリイミドモノマー(酸二無水物)
期待効果:接着性、靱性の付与
SFDA 167887-55-0 ポリイミドモノマー(酸二無水物)
期待効果:透明性、低CTE、低吸水性、溶剤可溶性の付与
ご要望の酸二無水モノマーのオーダーメイド可能。お問い合わせください

保有特許

(1)特許5280115 「p-フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の製造方法」
(2)特許5432605 「エステル基を有する芳香族カルボン酸二無水物の製造方法」
(3)特許5525216 「無水トリメリット酸ジエステルの製造方法」

評価技術

用途開発・評価(キノン系化合物)

  • 光増感剤(カチオン系・ラジカル系)評価
  • 重合禁止剤評価(保存安定剤・プロセス禁止剤)
  • 芳香族アクリレート類(屈折率/透過率・耐熱/耐光性)
  • キノン系化合物の分析・同定

用途開発・評価(有機酸系化合物)

  • ウレタン原料(ポリエステルオール)の開発
  • 硬質ウレタン/非フォームウレタンの評価
  • 発泡速度・成形・物性(難燃性/対剤性/機械強度他)

工業化技術

プロセス提案

分子設計技術

熱量測定による安全な処方設計

インライン分析装置を活用した開発

粉体特性制御技術

異物低減技術

  • 精製技術/設備のクローズドシステム/作業環境管理システム等

パルプ蒸解関連技術

  • パルプ蒸解設備と蒸解助剤(SAQ®)の評価技術
  • パルプ蒸解工程の評価/分析技術
  • 電解酸化によるポリサルファイドの製造および分析技術

微粉砕技術

  • キノン系化合物の水スラリー化技術(結晶の湿式微粉砕による高濃度スラリー化)

脱臭技術

  • 硫酸塩還元細菌の硫化水素発生抑制技術
  • 硫黄系悪臭物質の酸化脱臭技術

産学連携

革新的生産技術開発

東京大学との共同研究

当社では、2018年から東京大学とファインケミカル製造における連続フロープロセスの共同研究を行っています。

ファインケミカルの生産プロセスは、全ての原料等を反応釜に投入し、反応が終了した後に生成物を取り出す「バッチ法」が中心です。それに対して、「フロー法」はバッチ法と異なり、出発原料を反応カラムの一端から連続的に投入し、生成物を他端から連続的に得る方法です。
フロー法はバッチ法に比べてエネルギー生産性が高く、かつ、廃棄物の排出も少ないといった特徴があり、グリーン・サステイナブル・ケミストリー(GSC)を志向した、持続可能な社会での「ものづくり」の革新につながると期待されています。

当社では研究員を大学へ派遣し、この革新的生産プロセスの実用化を目指しています。

また、このフロー技術をいち早く実生産に結びつけるべく、オープンイノベーションにも取り組んでいます。具体的には、FlowST※1や、農水省産学官連携協議会(『知』の集積と活用の場)※2など、産学官の連携を通じて研究開発・実用化を推進しています。

※1
産業技術総合研究所に設立された「フロー精密合成コンソーシアム」の略称。
フロー精密合成技術に関する産学官連携の場を提供し、研究の活性化や新たなイノベーションの創出を目的としており、当社は2017年8月から参加し活動しています。

※2
農林水産・食品分野に関する産学官連携・オープンイノベーションを目指しており、当社は2017年8月に入会。この中の「低価格農薬を実現する革新的生産プロセス研究開発プラットフォーム」に参画しており、15の構成員とともに、研究開発・実用化を推進しています。

光増感剤開発

横浜国立大学との共同研究

より高性能な光増感剤創製のため、大学の豊富な知見、高い解析能力、計算機能力と弊社の高度機能評価技術、合成能力のシナジー効果を発揮すべく、2015年より横浜国立大学との共同研究を行っています。機構解明、分子設計による成果は国際特許として出願し、また論文発表、学会発表等を通して広く技術発信をしています。

製品紹介「光カチオン増感剤」へ View More

保有機器

光分析

  • 誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-AES)
  • 原子吸光光度計(AA)
  • 赤外分光光度計(顕微FT-IR)
  • 紫外可視分光光度計(UV-VIS)
  • レーザー回折・散乱式粒子径分布測定
  • インライン粒度分布計(FBRM)
  • インライン顕微鏡(PVM)
  • インラインFT-IR(React IR)
  • 色彩色差計
  • 屈折率計
  • 濁度計

電磁気分析

  • 核磁気共鳴装置(NMR)
  • 液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)
  • ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)
  • X線回折装置
  • 蛍光X線分析装置(EDX)
  • 走査型電子顕微鏡(SEM)

熱分析

  • 反応熱量計(RC-1)
  • 示差走査熱量測定(DSC)
  • 熱重量示差熱測定(TG-DTA)

分離分析

  • ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)
  • ガスクロマトグラフィ(GC)
  • イオンクロマトグラフィ(IC)
  • 高速液体クロマトグラフ(HPLC)

専用測定装置

  • 粘度計(B型、E型)
  • 自動表面張力計
  • 融点測定装置
  • 電位差自動滴定装置
  • 電気伝導度計
  • 水分測定装置
  • 力学強度測定装置
  • 動的粘弾性測定装置(DMA)
  • 紫外線照射型動的粘弾性測定装置(Photo-Rheometer)
  • 紫外線照射型FT-IR
  • 紫外線照射型示差走査熱量分析器(Photo-DSC)
  • レーザー変位計

評価装置

  • 静菌検査室(BSL2)
  • ウレタン発泡・成型実験装置
  • パルプ蒸解実験装置
  • バッチ式紫外線照射装置
  • ベルトコンベア式紫外線照射装置
  • 耐光性試験装置

試作設備

  • パイロット試作設備
  • 触媒中間試験設備